
キャラクターデザイナーは、ゲーム、アニメ、映画、広告、ウェブサイト、商品など、様々なメディアで登場するキャラクターを専門的にデザインするクリエイターです。単に「絵が描ける人」というだけでなく、そのキャラクターが持つべき役割、性格、背景、世界観などを深く理解し、それらを視覚的に表現する能力が求められます。
ヒアリングで得た情報に基づき、キャラクターのアイデアをスケッチやラフなイラストで具体化します。顔、髪型、服装、持ち物、体型など、基本的な外見を考案し、一つのキャラクターに対して、様々な角度からのポーズ、喜怒哀楽の表情、動きのイメージなど、複数のバリエーションを描き出します。
ラフデザインを基に精密で完成度の高い清書作業を行います。キャラクターの細部まで緻密に表現し、作品の世界観に完全に合致したデザインに仕上げます。
清書したデザインを画像編集ソフトやイラストソフトを使用してデジタルデータ化し、色彩設計を行います。ゲームやアニメの場合は、3DCGソフトで立体的に描き起こすことも多く、そのための知識やスキルも求められます。
キャラクターデザイナーは、ゲーム開発において単に絵を描くだけでなく、ゲームの世界観、ストーリー、そしてプレイヤーの体験に関わってくる存在となります。
「ゲーム絵を描くのが好き」「イメージしたオリジナルキャラクターを描くのが得意」と考えているなら、キャラクターデザイナーという職業を選択肢に入れるのもいいかもしれません。
当メディアでは、「ゲーム業界に関わりたい」という人に合わせて、東京にあるゲーム専門学校を職業別にわかりやすく紹介しています。
基礎力は、人体の比率と筋肉の流れ、表情の作り方、衣装の構造、シルエット設計、配色の考え方です。世界観の調査と、その意図を短く言葉にする力も必要です。
2DはPhotoshopやCLIP STUDIOを使います。線画、塗り分け、レイヤー整理、パーツ分解、PNGやPSDでの書き出しまでを一連で行えるようにします。
3DはBlenderやZBrushで造形し、必要に応じてリトポロジを行います。質感はSubstance 3D Painterで塗り、Marmosetなどで見え方を確認します。
ゲームエンジンではUnityやUnrealを用い、マテリアル、LOD、スケルタルメッシュ、簡単な制御(BlueprintやTimeline)の基本を押さえます。
実装面では、関節の可動域と衣装の干渉、ポリゴン密度の配分、テクスチャ解像度の調整、描画負荷の目安を理解します。見た目と動作を両立させる判断が求められます。
専門学校は職能直結のカリキュラムで、ポートフォリオ制作や産学連携を進めやすいのが特長です(学科名や募集年度は変更の可能性があります)。
大学や美術系では、デッサンとデザイン理論、調査と言語化を深く学べます。造形基礎の厚みは評価で有利になります。
オンライン学習は、UnityやUnrealの基礎、各種ツールの実習を反復できます。社会人の学び直しにも適しています。
構成はA4横のPDFで10〜20ページが目安です。最初にプロフィールと担当範囲を置き、その後はオリジナル作品を1体1見開きで整理します。
必須要素は、全身設定画、三面図、表情、衣装差分、小物、配色案、UI化したアイコン、制作プロセス(ラフ→清書→着色→実装確認)です。
3Dの場合は、ハイポリとローポリ、ワイヤーフレーム、テクスチャシート、法線の比較、エンジン内の画面、三角数と解像度を明記します。
提出はPDF(約20MBまで)またはWebポートフォリオが無難です。動画リールは1〜2分にまとめ、各作品の役割と制作時間を記載します。
差別化の鍵は、リグや衣装干渉、視認性の検証と、失敗からの改善を1ページで示すことです。実務想定の検証が伝わります。
キャラクターデザイナーのやりがいは、何もないところから新しいキャラクターを生み出すプロセスそのものにあるでしょう。漠然としたアイデアや企画書から、試行錯誤を重ねて線と色で命を吹き込み、唯一無二の存在として形にする瞬間に大きな達成感を得ることができます。
視聴者やプレイヤーからの反応を直接感じられること、自分が手がけたキャラクターが多くの人に愛されることは、この仕事における大きな喜びであり、やりがいの源です。
幻想的で繊細なタッチが特徴で、絵画、装幀、舞台美術など多岐にわたる分野で活躍しています。『ファイナルファンタジー』の世界観を決定づけた一人です
『ポケットモンスター』の生みの親の一人であり、初期から多くのポケモンのデザインを手がけています。シンプルながらも記憶に残る、世代を超えて愛されるデザインが特徴です。
コジマプロダクションに所属し、独創的でシャープなメカとキャラクターデザインで知られています。『メタルギア』シリーズのクールな世界観を確立した一人です。
キャラクターデザイナーは、設定画から三面図、実装確認までを担当し、見た目と実装の両面に責任を持ちます。
ゲームディレクターは、品質とスケジュールを統括し、仕様や表現の最終判断を行います。職能を越えた意思決定が役割です。
キービジュアルとゲーム内要件の整合では、視認性、世界観、年齢レーティングを合わせます。
仕様変更が増えるときは、デザイナー、テクニカルアーティスト、ディレクターで代替案を比較し、工数と効果で判断します。
監修は、アートディレクターからゲームディレクターへと順にレビューを経て確定します。合意の履歴を残すと修正が速くなります。
キャラクターデザイナーに向いているのは、絵を描くこと、デザインするのが心から好きな人です。長時間机に向かって絵を描いたり、アイデアを練ることが苦にならないで楽しいと感じることが重要です。
他にも、日頃から創造豊かな人です。「こんなキャラクターいたら」「この世界観にはどんなキャラクターが合うのだろうか」など自由な発想力も大切です。
大好きなゲームにプロとしてどう関わっていきたいかによって、学ぶべきことも、環境も変わります。
ここでは、職種別におすすめの学校を紹介しています。
日本電子専門学校
年2回更新されるオリジナル教材で、現在のゲーム業界で使われている技術を学習。プロと同じ環境で開発を学び、未経験から即戦力のプログラマを目指せます。
授業では年間10作品以上のゲームを制作。1年次から手を動かして制作を経験し、スキル習得とともに就活時のポートフォリオも充実します。
HAL東京
スクウェア・エニックスの時田貴司氏など、企画のプロが直接指導するゼミを開講。
現場で活きるアイデアの引き出し方や企画書作成の能力が身につきます。
有名ゲーム会社と連携し、実際にゲーム制作をする実習あり。実在の企業との制作経験で、企画力を実践レベルまで鍛えます。
日本工学院専門学校
デッサンの授業で基礎画力をしっかりと養いつつ、CG技術だけでなく、ゲームエンジンの操作を学習し、ゲーム開発ツールとの連携を実践的に学べます。
ただのデザイン学習だけでなく、「CGクリエイター検定」資格の取得を支援。スキルを証明する民間資格で、就職にも有利です。